ねこみみどーらくblog

nekomimistのよしなしごと

高解像度といろいろな足かせと

先日32型の4K2Kモニタを見る機会があった。ppiの数値的には携帯端末の足下にも及ばないのだが、32型はそんなに近寄って見るものではないので高密度感が高く「このサイズならこの解像度は欲しいねぇ」と強く感じた。実際、直後に横にあった60型のFullHDを見たらピクセルのデカさにおどろいたよ。)

で、まぁ、高解像度な表示装置は実にいいのだが、いろいろボトルネックがあって悩ましい。

まずは外部モニタへの転送帯域の問題。HDMI 1.4は3840x2160は30Hzでしか転送できないのだ。DisplayPortも似たようなものだったはず。これだと3Dは絶望的だし、普通にPCでコンテンツを再生する用途にもイマイチだ。色深度を深められない。48bitカラーも欲しいよ!

メモリ帯域も問題だ。ピクセル数が多いので、表示するだけで食ってしまうメモリ帯域がバカにできなくなってくる。32bitカラーで60Hzだと、3840(W)x2160(H)x4(byte)x60(Hz)で約1.85Gbyte/sec。描画で食うレートを除いた"表示だけ"でこれだけ食う。最近のOSの画面描画はテクスチャ転送を伴うので、ディスクリートGPUの場合はともかく、CPUに統合されたGPUだと相当イヤな量だと思う。

あとは描画性能。表示ピクセル数が4倍なら、描画にかかわる各種性能も4倍にならないと前より遅くなる。画像データのデコードはCPUなので、GPUだけじゃなくCPUも表示画面に見合うだけ上がらないとやっぱり遅くなる可能性が高い。通信の問題があって、CPU性能が表示速度のボトルネックになってない場合は問題ないように思えるが、実はCPUを高クロックでぶん回す時間が増えるので消費電力が上がる。つまりモバイル端末だとバッテリーに優しくない。

あとはコンテンツサイズ。高解像度に合わせてビットマップデータを用意するとデータサイズが爆発して、アプリサイズが爆発する。データをダウンロードしてくる場合は通信が苦しくなる……。

ディスクリートGPUを持つPCならば4K2Kの足をひっぱるのは最初の外部モニタだけだろう。でも、テレビ方面の4K2Kはコンテンツがないので売りづらいのが難点。統合GPUを持つPCだとメモリ帯域がまず厳しくて表示性能もたぶん厳しくてちょっと困りものかも。

モバイルだと、性能を満たすためにCPUとGPU性能が必要なので電池食いになるし、メモリ帯域も十分じゃないので、ちょっと厳しい。たぶん「新しいiPad」は何かがアンバランスだと予想する。個人的には、あの解像度のモノは各種技術がもう一世代進んだら買ってもいかなと思う。

でも、まあ、やはり高密度な描画はいいものなのは間違いない。きっと「新しいiPad」も実物見たら「おおっ!」と思うのも間違いないし。

FullHDは粗すぎるんだよ!